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ヤマハ発動機株式会社

eBikeで伝える、感動体験

ヤマハ発動機株式会社、橋本さんと三浦さんに、2024年6月にオープンした
「ヤマハ イーライド ベース」について、お話をお伺いしました。

ヤマハ発動機株式会社
クリエイティブ本部 ブランドマーケティング部
ブランド発信グループ横浜
Yamaha E-Ride Base
マネージャー
橋本 耕 氏

クリエイティブ本部 ブランドマーケティング部
ブランド発信グループ横浜
Yamaha E-Ride Base
三浦 希実 氏

ヤマハ発動機株式会社

インタビュー

「ヤマハ イーライド ベース」は、どのような施設ですか?
横浜のみなとみらいにある体験型ショールームです。
「eBikeの乗車体験」や「180°スクリーンによる大迫力の映像体験」「電動車いす体験」を、無料で体験していただくことができます。
また、ヤマハ発動機の歴史、ものづくりに対する姿勢がわかる展示等もしています。

「eBikeの乗車体験」とは?
スポーツタイプの自転車に電動アシストが搭載されたものがeBikeと呼ばれています。
欧州や北米の先進国では、かなり普及が進んでいますが、日本国内では、まだまだ知られていないのが現状です。
走行をアシストしてくれるので、自力で走るよりも負担なく走行することができます。
特にその効果を発揮するのが坂道です。
ラクラク上ることができます。
「ヤマハ イーライド ベース」では、そのeBikeに無料で乗車することができます。
30分になりますが、自由にみなとみらい周辺をサイクリングしていただくことができます。
週末には、ガイドが先導して、おすすめコースを巡るガイドツアーも開催しています。

「ヤマハ イーライド ベース」設立の目的を教えてください。
「ヤマハ発動機という会社を知ってもらいたい」「モビリティの楽しさを伝えたい」ということが目的です。
弊社はグローバルに展開している企業ですが、課題になっているのは、国内において若年層の「ヤマハ発動機」のブランド認知が低いということです。
「ヤマハ」と聞くと、「楽器」をイメージされる方が多く、楽器を製造されているヤマハ株式会社さんの商材を想起される方が非常に多いのです。
弊社は、世界的に見れば、「オートバイ」や「船外機」「ボート」などのマリン製品での認知は高いのですが、免許が必要な乗り物が中心になっていることも影響し、日本の若い方の場合、そういった商品との接点が少なくなっており、企業認知が進んでいません。
そこで、若い世代の方を中心に、様々な世代の方に「ヤマハ発動機」ブランドを認知してもらうために設立しました。

「体験型ショールーム」とした理由は?
弊社の商品は、「オートバイ」や「PASシリーズ(電動アシスト自転車)」「船外機」「ボート」など、モビリティ製品が多いのですが、いずれも「体験する楽しさ」を提供しています。
例えば、オートバイであれば、風を感じて走る楽しさであったり、目の前に広がり続ける景観です。
乗っていただければ、その楽しさはすぐにわかります。
そういった楽しさを体験してもらいたいと思い、体験を提供するショールームとしました。
「eBike体験」もそうですが、「180°スクリーンによる大迫力の映像体験」も、そのような体験を感じていただくものとなっています。

これまでは、大勢の方に向けたマス広告が主流でしたが、時代の変化とともに、お客様それぞれに相対したコミュニケーションが重要になってきています。
弊社の創業時、ベンチャーの頃に戻るわけではないですが、お客様一人ひとりに、一対一でブランドを伝えていきたい、そういう場の必要性を感じていたこともこの施設が開設された理由の一つです。
オートバイやボートは免許が必要ですが、eBikeであれば免許はいりません。
体験していただくハードルが低いため、eBikeの無料体験をご提供することにしました。
eBikeを通じて、「乗って楽しい、ヤマハ発動機」を伝えたいと考えています。
どのようなお客様が来場されていますか?
非常に幅広い方にご来場いただいています。
弊社は静岡県磐田市が本社になるのですが、本社には「コミュニケーションプラザ」という企業ミュージアムがあり、そちらはバイカーの方にとっては聖地のように捉えていただき、バイク好きの方に多くお越しいただいています。
一方で、「ヤマハ イーライド ベース」では、ヤマハ発動機をよくご存知でない方にも、フラッと立ち寄っていただいています。
週末には、非常に多くの方にご来場いただき、eBike体験のご希望が1日50人以上になることもあります。
みなとみらいにはレジャー施設や企業ミュージアムなどの施設が多いことも影響していると思いますが、ご家族連れやカップルなど色々な方々に来ていただいています。
外国から観光で来られている方にも、ご来館いただいています。
また、この周辺には企業オフィスも多く、弊社のオフィスもこの建物内にあり、ビジネス関係者にも立ち寄っていただいています。
現在、企業同士での新たなビジネス創出が注目されていますが、例えばここでのeBike体験が商談のアイスブレイクになったり、もっと言うとヤマハ発動機というブランド理解に役立つことで、企業同士のより深い対話に繋がったり、といったことも期待できます。
よりそういった「共創」の拠点となる、港のような場にも将来的にはしていきたいと考えています。

お客様の反応はいかがでしょうか?
20~30代をターゲットに当初していましたが、ご家族連れの方からも反応があったのは予想外でした。
一方でeBike体験は16歳未満の方は対象外となっておりますので、お子様連れでも楽しめるように、週末にイベントを定期的に開催し始めました。
ご来館いただいた方からは、非常にご好評いただいています。
ご来館いただいた方へ提供しているオリジナルのサブレとお茶も「とても美味しい」とご好評いただいています。
本社がある静岡へのこだわりから、サブレは、浜松の春華堂様に製造していただいたオリジナルデザインのお菓子で、お茶は静岡県森町のお茶を使用しています。
我々スタッフも、あまりかしこまり過ぎずに、どちらかというとフレンドリーにお客様と接し、一対一の対話を通してブランドをお伝えすることを意識しています。
そういった点も含めて、お客様に親近感を持っていただけている一つのポイントだと思います。
今後の活動について、教えていただけますか?
「ヤマハ イーライド ベース」はブランドを発信するための場ですが、これはヤマハ発動機内部に対する発信も目的にしています。
いわゆるインターナル・ブランディングです。
社内公募に手を挙げていただいたヤマハ発動機の社員が説明要員として参加するプログラムも開始されました。

社員がブランドを理解し、お客様に語ることが重要だと考えています。
まず自身がその楽しさを感じていないと、魅力を伝えることができません。
(取材日の)今日、社員がこの施設に来て、実際にeBikeの乗車を体験してもらいました。
とても楽しそうでした。
こういった体験が製品理解、そして、社員の満足度、モチベーションの向上に寄与すると考えています。
その他にも力を入れていきたいと考えていることがあれば、お聞かせください。
eBikeは体験の入口として設定したものですが、「乗れば楽しい」や「ヤマハ発動機をもっと好きになってもらう」ということを考えると、例えばモーターボートの体験だとか、街以外の環境でのeBike体験などにも繋げる展開を考えたいですね。
出口がないとそこで終わってしまいますからね。
「ヤマハ イーライド ベース」は売る場所では一切ないので、足を運んでいただいたお客様に「いかに良い印象を残せるか、またその記憶をいかに長く残せるかがカギになると捉えています。
そのためにもeBikeだけでなく、色々な体験があることを知らせていきたいですね。
「ヤマハ イーライド ベース」に興味を持った方へ、メッセージをお願いします。
「ヤマハ イーライド ベース」は、非常にアクセスの良い場所にあります。
みなとみらい線の新高島駅のすぐ近くです。
横浜駅から徒歩で来ることもできます。
eBike体験は16歳以上の日本国内居住の方という条件がありますが、サイクリングに必要になるヘルメットやグローブ、お水などはご用意させていただいておりますし、荷物が置けるロッカーもありますので、週末のちょっとしたお出かけにあわせて、手ぶらで気軽にご来場いただければと思います。
「ヤマハ イーライド ベース」は、感動体験を通じて、「ヤマハ発動機」というブランドを知っていただく場ですが、一般の方だけはなく、ビジネスの世界でも共創の場にしたいと考えています。
企業様の活用も推進していきたいと考えていますので、ご興味がある方はまず体験しに来ていただければと思います。