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ニチレイマグネット株式会社

あの若葉マークもこの会社から!?
~マグネットで世間の常識を変える~

「え、これもマグネットなんですか!?」と驚きの連続なのが、ニチレイマグネット様の展示室。
見覚えのある磁石性のノベルティグッズだけでなく、店頭のディスプレイや住宅のインテリアアイテムなどが並びます。磁石が付くための建材まで開発してきた同社。
マグネットの持つ果てしないおもしろさと可能性について、伺いました!

ニチレイマグネット株式会社
専務取締役 前橋 義幸 氏
プロジェクト管理室 江尻 三彩緒 氏

前橋氏、江尻氏へのインタビュー

世にない製品を生み出し、使い方と共に開発する

マグネット製品のパイオニアでいらっしゃいますね

父が創業したのですが、もう51年目になりますね。
皆さんのイメージされるようなマグネットやステッカーだけでなく、素材開発から用途開発まで、いろんなことをしている会社です。

さらに“あのマーク”も御社が手掛けられたとか

そうなんです。
車に付ける初心者マークは、当社がはじめて磁石化しました。
あの若葉マークですね。

今となってはすっかり当たり前に

やわらかいマグネットのシートなんて製品が、昔はなかったんです。
当社では「マグネシート®」という素材を開発しまして、それを使ってヒット商品になりました。

磁石シート使用例
やわらかいシート状のモノが画期的だったわけですね!

ただ、人の知らないものを売るというのはとんでもなく難しいことで……。
磁石は「カタくて黒い丸型のモノ」と思い込んでいる人に「マグネシート®」を見せると、「時間が経つと磁石機能が落ちるんじゃないか」「風で飛ぶんじゃないか」という反応になるんです。

確かに。使ったことがないものは、イメージするのが難しいです

まずは商品を信用して頂き、ある程度認知されて、ともに売ってくださる協業先が増えていくことが大事です。

なるほど

たとえばオフィス製品で初期に普及したのは、行動予定表に貼る名札でした。
大手文具メーカーさんなどの製品に採用頂きまして、徐々に広まったんです。

オフィスの壁に貼られているような行動表ですね!

今となってはデジタル化しつつありますが、40年くらい前はアクリル板に手書きで名前を書き、裏に丸磁石を貼ったりしていたんですね。

マグネットの名札シートなんて発想がなかったと

そうですね。
これに限らず、どこでどう使ってもらえるか、用途を日夜考えないと全然売れません。
素材だけを持って行っても、使い方のイメージを広げてくれなくて。
だから、使い方も一緒に開拓するというのが当社の基本姿勢なんです。

磁石を貼る“相手”の開発にも力を入れてきたというのは、そのためですね

市場を伸ばすには、鉄の場所を増やす必要がありますからね。
磁性材と言っているアイテム類をたくさん開発してきました。

たとえばどんなものがあるのでしょう?

たとえば47年前に開発した「スチールペーパー®」は、ハサミやカッターで切れるような鉄フィルムの壁紙です。
最近だと磁石が付くせっこうボードや、キッチン用ボードなど、建装関連のラインアップが増えました。

ラインナップ紹介

10年がかりで導入にこぎつけた、百貨店のディスプレイ

前橋さんご自身は、どんなキャリアなんですか?

入社してもう27年経ちまして、建築内装関連をずっと担当しています。
といっても、部署の立ち上げからなんです。
入社2年目くらいに1人だけその部署になって、使ってくれそうな先を開拓して。
早朝や夜間に現場へ出向いて、看板を付けたりもしていました。

まさに、建装領域の開拓者ですね

もちろんその後メンバーも増えて、東京と大阪に専門部署をつくって拡大しましたけれどね。
最近だと百貨店のディスプレイや館内の装飾にも使って頂いていますが、10年がかりでようやく導入頂いた店舗もありました。

今度近寄ってみます!

動かさないでくださいね(笑)。
当初は軽いものだけに使われましたが、今は大きくて重たいもの、そして絵画のような高額品にまで使って頂いています。
事故が一度も起こっていない点も信用につながっているのかなと。

高額品になると相当緊張しますね

もちろん綿密に打ち合わせしますし、ワイヤーでの担保と組み合わせています。
ただ磁石のいいところは、微妙な位置調整が簡単にできるんです。
留め具だと、ちょっとのズレでも外してやり直しになってしまいますからね。

ちなみに江尻さんはこの会社のどんな点に魅力を感じて入社されたんですか?

マグネット製品は、景気の波をあまり受けず地道に売れ続ける印象はあったんです。
そうしたベースのうえに建装関連で可能性を広げているのが、おもしろそうだなと思いました。

江尻さん

マグネット製品は本来、今日必要とされる分だけ売れていきます。
安くなったからといって、数量が倍売れるものでもなくて(笑)。
だから、売上を伸ばすには使う意味を変えたり、使う場所を変えたりという工夫が必要だったんです。

建装系の部門を立ち上げた頃のご苦労はいかがでしたか?

リニーシステムという商品がありまして、これは磁石の特性を使って水平に等間隔に配列することができるものなんです。
すごく便利なはずですが、素材だけで売りに行っても、全然伝わりませんでした。

やはりイメージがつかないんですね

製品サンプルをつくり、内装自体も手掛けないと売れないよとお客様から言われて。
そうした経験の中で、サンプルを示したり、貼る先の建材を開発したりと工夫し続けた感じでしょうか。

いろんな使い方があるのに驚きます……

たとえば「メタリーシート」というカラー印刷シートがあるのですが、印刷内容を変えるだけで、季節ごとの装飾変更も簡単にできます。
催事場でホワイトデー仕様とバレンタインデー仕様を重ねて貼っておいて、2月14日が終わった途端に剥がして、簡単に模様替えするとかですね。

それは現場作業としては大きく変わりますね! お客様からよく聞くご相談などはございますか?

たまにあるのが「あそこにも使いたい、ここにも使いたい」と。
付け外しする可能性がある場所ならもちろん磁石をオススメします。
ただ、取り付けて動かさないものまで磁石にする必要はないので。
「それならネジがいいですよ」と言うこともあります(笑)。

環境にも、働き方にも、高齢化社会にもやさしい

「常に用途開発」とおっしゃいますが、いつも考え続けているんでしょうか?

自然とそうなっているんでしょうね。
でも、一度使ったお客様がどんどん磁石を好きになられて、「最近これできないか気になるんやー」と言われることも結構あります。

確かに。前回お話を伺った後、家中の壁が気になって磁石を近づけてみたりしました(笑)

よく前橋のところにご相談の電話も頂きますね。
「これ磁石で何とかならない?」「こんなのつくりたいんだけど」というような内容で。

そういう話も含めて、何か工夫できないかというのが常に頭にあります。
「これがあると便利だろう」と自分が思うなら、10人に1人くらいは同じことを思う人がきっといると思うんです。

ディスプレイ展示に磁石を使うと、ゴミも減りそうですね

まさにそうなんです。
カラー印刷のシートを変えるだけで内装変更ができるので、廃棄物はほとんど出ません。

展示会に出展頂いたときにも、すべて磁石で装飾して、終わったら持ち帰られていましたよね

そうですね。
持って帰って、また活用できますから。
取り外し作業も簡単なので、時間短縮、働き方改革にも役立ちます。
磁石を使うと、環境面も、高齢化も、生産性も、様々な社会課題の解決に役立つと私は思っています。

ちなみに高齢化社会への効果はどんな点ですか?

たとえば介護施設では洋服のボタンも、装着が楽な磁石が使われていたりするんです。

なるほど!

当社で最近出した製品だと、学生さんと開発した「わってダース」という小物入れがあります。
磁石で開閉する小物入れで、薬を入れて、飲み忘れ防止のためにドアなどにくっつけておけるんです。

「わってダース」小物入れ
工夫されていますね! 学生さんのアイデアですか?

ここ7年くらい、Sカレ(Student Innovation College)という催しに参加していまして。
そこに参加した大学生グループが考えてくれました。

日々「どうやったらできるか」を考える職場

社員の皆さんの発想力も高そうですが、育成で工夫されている点とかあるんでしょうか?

何ができるだろうかと考えて動くのは、学習で身に付くものでもないんですよね。
だから特に体系的な育成ではなくて、一緒に仕事をしながら身につけてもらっています。

前橋氏による実演
常に「どう工夫しようか」を考える機会があるんですね

モノが好きでコミュニケーション能力が高ければ、お客様からの相談を受けて常に考えますし、そこで成長していけると思っています。
逆に、もしお客様からの相談を面倒に思ってしまうと、仕事は楽しくなくなるでしょうね。

相談に対応することで、新しい用途が生まれていくと

その点で、お客様からの相談はすごく大事です。
よくわからない相談にも必ずのるべきだと社員には言っていますし、それは個人購入者でも大企業相手でも同等です。

なるほど

1個でも1千万個でも受注しますし、どんなに面倒なものでも基本的には全部対応するつもりでやっています。
用途を生み出すことこそ、当社では必要なことですからね。
最初からわからないものでも、その先に売れる可能性を感じて、常に取り組んでいます。

ありがとうございました

今回、ニチレイマグネットさんの商品開発に至る発想や、実際製品として形になったものを拝見させていただくと驚きの連続でした。常日頃なんとなく不便に感じているものや、こんなものがあったら便利だなといったものを取りこぼさず、製品力で解決していく。きっと生みの苦しみは相当なものだと思うのですが、お話を伺っていると、そこには楽しさが見え隠れしているのも印象的でした。
前橋さんに一度ご相談してみたい方は、こちら までお問い合わせください。
きっと課題解決に繋がる何かが見つかるはずです。