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能美防災株式会社

“期待の先をカタチに”するプロジェクト進行中 !

能美防災株式会社
総合企画室リーダー 加藤 陽造 氏
総合企画室 主査 佐々木 聰文 氏
特販事業部 主事 山野 晃太 氏
CS設備本部 CS営業部 第2グループ 副主事 府川 愛実 氏

能美防災株式会社

大正5年創立 防災のパイオニア 能美防災が新たに市場に投入する新サービス、

災害の怖さを自分のものにすることの大切さを伝える
「火災臨場体験VR ~混乱のオフィス」

災害時に備えた備蓄品を入れ替える際に、寄付による社会貢献と経済的負担軽減を両立させる新サービス
「ストクル+(プラス)」

この 2 プロジェクトは、中長期ビジョン施策の一つである「未来共創プロジェクト」の一環として生まれました。

今回は上記 2 サービスをそれぞれ立ち上げた佐々木さん(総合企画室 主査)、山野さん(特販事業部 主事)、またお客様の隠れたニーズを掘起こし顕在化させるインタビューに携われた府川さん(CS営業部 副主事)、「未来共創プロジェクト」推進の支柱となって経営と現場をつないだ加藤さん(総合企画室 リーダー)にお話をうかがいました。

インタビュー

「未来共創プロジェクト」はどのように進められているのでしょうか ?
社内公募でアイデアを集め、提案者と事務局(総合企画室)でテーマ検討を行うスタイルです。
提案者は現業との兼任で、選考を通過した今回の 2 つのプロジェクトは事業化検討(社内外のヒアリング、具体化、検証、ブラッシュアップ)を 1 年半かけてきました。
「火災臨場体験VR ~混乱のオフィス」(以後VRと表記)担当の佐々木さん、「ストクル+(プラス)」(以後「ストクル+」と表記)担当の山野さんそれぞれにお聞きします。
何故このプロジェクトに取り組まれたのでしょうか ?
東日本大震災被災直後の現地支援の際、現地の方の言葉から、火災対応だけでない防災活動の必要性を強く意識しました。
また取り組みの中で防災意識向上のためには子どもの頃からの教育が大切という考えを持つようになりました。 そこで防災教育に特化したサービスができないかと考えたのがきっかけです。
5~7年経過した期限切れの備蓄品の入替の手間やコストは大きいものです。
私自身総務部にいた当時、不要になった備蓄品を廃棄した際にまだ活用ができるのに捨てるのはもったいないと思ったのがきっかけでした。
提案~開発のプロセスにはどのようなご苦労があったのでしょうか ?
はじめの提案はすんなりとは通りませんでした。 社内にVRの技術は無かったですし、事業収益性の問題指摘もありました。 何よりも提案の段階ではアイデアに止まり具体的なカタチを示すことができていなかったことが大きかったと思います。
問題意識に留まっていて具体的な仕組みをどうするかとか、収益性がどうなのかといったことは提案の時点では解決できていませんでした。
お客様が本当に求めているのかといったことも客観的な根拠があったわけではなく、その後の 1 年間、未来共創プロジェクトの枠組みの中で社内外の意見をいただきながらブラッシュアップしていく必要がありました。
そのような状況を打開したのはどのような出来事だったのでしょうか?
地震災害に遭遇した主人公がどう生き抜くかを描いたアドベンチャーゲーム「絶体絶命都市」を開発されたグランゼーラ社との出会いが、単なるアイデアを形に変えてくれました。
提案の中で考えていた災害体験の内容についても同社との話し合いの中で各段に深まりました。
検討していた事業展開のシナリオも具体性をもって見えるようになっていったことで提案を進展させることができました。
お客様のヒアリングをする中、本音の言葉が引き出せない苦しい時期が続きました。
そんな中あるお客様のところへ話を持っていった時、実はこんなことでこまっていると話してくれたことがあり、私たちの問題意識とピッタリ一致したのです。
今になってみるとそこが転機だったように思います。それ以降、事業の進め方や仕組みづくりが一気に進んだように思います。
カタチの無いものを伝え、社内の理解を得ることの難しさ、収益を如何に確保するか、提携先パートナーの問題などいろいろな苦労がありましたが、プロトタイプが完成し多くの社内関係者に体験してもらった時、それまであまり乗り気でなかった人たちからも、前向きな意見が出るようになったのです。
自分でできることには限りもあり、完璧なものにすることはできませんが、道半ばでも勇気をもって発信し、ぶつけていくことが大事なのだと思うようになりました。

このプロジェクトが担当者だけでここまで来るということは難しかったと思います。 お客様が何を欲しているのか、インタビューはお客様本人も気づいていない潜在ニーズを掘り下げていく作業でした。 要望は沢山出てくるのですが、それらが本当のニーズなのか聴き出すことを繰り返しました。
まさに「期待の先をカタチ」にするとはこういうことで、社員全員が日頃からこういうインタビューを心掛け、組織としてもレベルアップし、いつでもどこからでもシャープな提案を出せるようにしていきたいと思っています。
今までお客様の生の声をここまで深掘りすることはありませんでしたが、その体験ができたことが貴重でした。 またサービス開発に際し、営業の視点も取り入れて、一緒に作っていくことができました。
その結果プロジェクトにはどのような成果がありましたか?
災害体験のVRコンテンツとしては後発だった中で、グランゼーラ社との共創ができたことで差別化が図れたと思います。 事業所等での防災担当者が直面している困りごとにフォーカスしたものに近づけることができたと考えています。
備蓄品を受け取っていただけるフードバンク側、提供サイドの企業双方のニーズのマッチングを図るところに提供価値を見出せましたし、料金についても従来備蓄品廃棄にかけていた費用と大差ないものとすることができたのです。
企業は備蓄品の入替時に「ストクル+」を利用さえすれば、それだけで社会貢献ができることになりました。
最後にこのサービスを本当に届けたい人たちに届けるために、今後どのように取り組まれていくか教えてください。
今はこのVR体験を通じて大人の顔つきが変わることが分かったので、1人でも多くの大人に届けていくことに力を注いでいきますが、いずれは子どもに届けることを考えていきたいです。
正しい防災教育を受けた子どもがより多く増えていくことが、将来的に防災意識の高まった社会の実現につながっていくものと考えています。
これに貢献できるコンテンツ・仕組みを具体化し、子どもに送り届けたいです。
昔の私のように、日々いろいろな業務に忙殺されている総務の担当者に送り届けたいです。
結局備蓄品を捨ててしまう。
もったいない、備蓄品管理業務に手間をとられているという状態から、「ストクル+」を利用することで自分のしている仕事自体が社会に貢献でき業務効率化もできることを伝えていきたいと思います。

「期待の先をカタチにする会社」を単なるスローガンにとどめるのではなく、投資、人材育成とリンクさせ「未来共創プロジェクト」を推進させる同社には、それを具体化しようとして学習する人、組織と、従来の枠組みを押し開く新たな事業が生まれていました。

組織の持続性確保の基盤となる防災意識と社会貢献という課題解決にとって、有益な施策開発と組織変革が同時に進み始めた同社の本気度は、貴社におけるこの領域の課題に必ずや応えてくれるでしょう。ご関心の向きは是非コンタクトしてください。