開催レポート/会員交流フォーラム2023年度 新規事業編 第3回アイデアをアイデアで終わらせないために〜新規事業/新商品実現までのマインドセットとロードマップ〜2023年12⽉8⽇(金)

変化が目まぐるしい時代における新規事業のポイントとリーダーとメンバーの役割

講師:渡辺 将基
新R25 編集長
株式会社CAM専務執行役員(株式会社サイバーエージェント 関連会社)
ファシリテーター:志方 優
株式会社スプリングフィールド
HRDコンサルタント・研修講師

(敬称略)

圧倒される実話を踏まえた新規事業講話

2023年12月8日、JMA研修室でJMA会員交流フォーラム/新規事業開発編・全4回の第3回目が開催された。

第3回目ということもありリラックスムードでオリエンが始まる。ファシリテーターは、前回と同じ株式会社スプリングフィールド HRDコンサルタントの志方さん。笑顔がとてもよく、やさしく通る声も和ませてくれる一因だろう。

参加者同士のお互いの挨拶が終わると前回の振り返りから。3回目ではあるものの、実際に自社内で進めるには、立ち上げ方やモチベーション、社内の通し方などさまざまな問題にぶつかり、悩んでいる様子がうかがえる。

そして「新R25」の編集長でもある株式会社CAMのCOO、渡辺さんの講話が始まる。人生100年といわれる時代にこれからの生き方をどうしようと悩む人は年代に関わらず多い。そのような中、明るく「仕事も、人生も、もっと楽しもう。」というスローガンのもと、仕事やお金、ライフスタイルや健康などいろいろなジャンルのコンテンツで時代の最先端を走る人たちの考えを取り上げているメディアはおもしろいと思うし、新規事業を考えるにあたってその事業を率いている方の話はとても刺激になる。

「新R25」編集長の渡辺さんが語る新規事業は、まず根底に「変化が激しい現代において、新規事業の成功法則などはないが新規事業を成功に導く“心得”は確実に存在し、いつの時代でも普遍である」という考えのもと、ポイントがわかりやすく整理されていた。

講話前半のポイントとしては、

  1. 優秀なリーダーに必要なセンターピン(ボーリングの三角形の頭のピン)を見抜く力
  2. トレードオン思考
  3. 事業計画より兆し出し
  4. 形を決めて作り込みすぎない
  5. 失敗を前提で取り組む

の5つで、具体的な事例を上げながら話が進んだ。渡辺さんの経験値に基づくものと思われ、話にも力があり常に心掛けていることなどどれも納得させられるものだった。

新規事業を成功させるチーム作りのポイント

次に、新規事業を考えるにあたって外せないチーム作りの話。これは事業の種類に関係なく、リーダーに向いている人、メンバーに向いている人がおり、それぞれ役割が違うこと、リーダーはまとめ役ではなくトップダウンの形で道筋を示すと事業がうまく進むのだそう。

またそのほか、やりやすい人と組む、本音が言える、若手だけでなくベテランの人脈や社内調整も交えたほういい、まずは大きな方向性を決めるなど、こちらも実話や事例を交えながら大きな道筋を語ってくれた。あとはチャンレジを繰り返すのみ!

そのあとはグループで質疑をまとめる時間となった。各グループの代表より、実際に自社内や個人で引っかかったところやぶち当たった壁、失敗の見極めやお金について、進めるか否かの判断基準、熟考や執着すべきところ、コミュニケーションについてなどさまざまな質問があり、それらも実例を踏まえながら応答いただいた。

第1回、第3回と別の方による講話だったが、お二人ともとてもアグレッシブで、新規事業は大変ではあるものの、ぶち当たった壁や変化、発見、兆し、仲間とのやりとりなど全てをひっくるめて楽しんでいる印象を受け、楽しめるからこそエンドユーザー(購買層)にとってもわくわくする事業につながるのではないかと思った。参加者それぞれが一歩踏み出す刺激になったであろういい時間だった。