すばらしい事例と他社との交流や話し合いで新規事業を考えるヒントに

講師：市橋　健

ロート製薬株式会社 広報・CSV推進部
ゴールデンラビットビール 代表

ファシリテーター：志方　優

株式会社スプリングフィールド
HRDコンサルタント・研修講師

（敬称略）

話がはずむ穏やかな雰囲気で交流が進む

2023年10月26日、東京・京橋でJMA会員交流フォーラム／新規事業開発編・全4回の第1回目が開催された。

ファシリテーターは、株式会社スプリングフィールド　HRDコンサルタントの志方優さん。固くなりすぎず、穏やかな進行で、ご自身の台湾と日本の橋渡しとしての日台ビジネス、教育やITなど新規ビジネスを起こした話をプロフィールとして紹介があった。今回のテーマにもマッチして、もっと聞いていたい経歴の方だった。

続いては参加者各人の自己紹介。このフォーラムは教える場のようなセミナーではなく、講演や、積極的な他社との交流や議論を行い、気付きや得たことを自社へ持ち帰ることをテーマにしていた。穏やかな雰囲気のせいかもしれないが、ほぼ全員が自社紹介、自己紹介を会社での役割やプライベートのエピソードを入れながら今回の目的もきちんと簡潔にまとめて話していた。新規事業を任命されたものの何をどうしたらいいのか迷ったり悩んでいるための参加と目的がはっきりしていた。この自己紹介で自社や自身を振り返ったり、これから計4回続く同じフォーラムに参加する他社の仲間を知るよい内容だったと思う。

新規事業は楽しく！がモットー　市橋さんの驚きの活動話

次に、ゴールデンラビットビール　代表、ロート製薬株式会社　広報・CSV推進部、「明日ニハ」リーダーの市橋健さんの講演。ロート製薬では、ダブルジョブ制度や社外チャレンジワークを行い、社員が専門オンリーではなく、何役もこなすことで個人の成長や、結果会社の成長につながる相乗効果を目的としていた。本当にどの企業もこうなるといいのではと思う事例だった。市橋さん個人では、ロート製薬とは関係なく全くのゼロから奈良にクラフトビールの醸造所を造り、販売を行っている。地元の名前を使ったブランディングやアップサイクル、自治体とタッグを組んだクラウドファンディング、環境や子どもへの還元など社会課題と商品、技術とのコラボをキーワードに楽しいと思うことを実現していて、メディアに取り上げられたり事業を黒字化できるようになったことや、さまざまなネットワークに、個人がここまでできるのかと全員が驚いていた。

また、市橋さんは社内の何かやりたいことを応援する「明日ニハ」というロート製薬内事業のリーダーを兼ねている。「明日ニハ」は、新規事業を役員ではなく、個人が提案し、やりたいことを実現させるプロジェクトで、考える力、思いをやりぬく力、プレゼン力、決断力などが磨かれ、社内の応援があり新規事業が生まれる話は、それぞれが自社内でどうやったら新規事業ができるかを考えるいいきっかけになったのではと思う。

最後は懇親会も用意されており、ファシリテーターの志方さんやロート製薬の市橋さんを交え、新規事業に対する悩みや感じたこと、市橋さんの活動や思いなどの話で盛り上がり、若い人たちだけで二次会もあったようだ。

すばらしい活動話に刺激を受け、また新規事業の悩みという同じ意識を持つ方とは仲間意識も芽生えるだろうし、自分も参加して、事業への参加や起業を考えたいと思うほどわくわくするとても有意義な時間でした。