JMA会員交流フォーラム第2回のテーマは
「良い(いい)会社とは?~仕事を楽しむことができるチームづくり~」
12月20日(火)に「JMA会員交流フォーラム」(第2回)を開催しました。
「良い(いい)会社」とは?
~売上至上主義的組織づくりから「やりがい(自律)」と「つながり(協働)」を大切にできる組織へ~
最初に、自社の課題にも触れながら、自身が考える「良い(いい)会社」の要素を出し合い、意見交換しました。
■参加者が考えた「良い(いい)会社」の要素(抜粋)
- チャレンジできる
- 楽しい(成長を感じることができる/お客様に喜ばれる)
- 自由に意見を言うことができる/他愛のない会話ができる
- 上司に相談できる
- 会社方針に社員が共感できている
- 業務の目的が明確になっている
- 互いに信頼できる
- 仕事に程良いストレスがある 等々
そして、全体発表では、良い会社とは
事業・人が成長するために、「Will」「Can」「Must」の枠組みが一致している会社
「ストレス」「人間関係」「成長」のバランスを取ることができている会社
であるという考えが共有されました。
その後、ファシリテータ・春野氏が慶應義塾大学大学院 教授 前野隆司氏(幸福学の第一人者)に対し、実施したインタビュー動画「『やりがいと繋がり』で幸せな職場づくり~Well-beingファーストでより良い社会へ~」を視聴しました。
前野氏インタビュー動画より
- 「幸せ(Well-being)」とは、心と体と社会が、長期的に良好な状態である
- 「やりがい」を持ち、多様な「つながり」を持つ人が「幸福度が高い」人であり、そのような人が集まる組織は、自然に助け合うことができ、各自が主体的に行動できる
- 組織の幸福度を高めるために、経営者がまずやるべきことは、「権限の委譲」と「理念の浸透」(社員の視野を広げること)である
- 幸福度の高い組織は、「生産性」が高く「創造性」に長けていることは各種データからも明らかであり、そのような組織づくりを目指す日本の企業が増えてきている
- 「牽引型リーダー」から「調和型リーダー」へ、求められるリーダーシップ像に変化が見られる(トップダウンではなく、全員の知恵や創造性を集める組織づくりへ)
- 目先の売上や効率化ではなく、社員と社会の幸せを考える「Well₋beingファースト」の発想を持つ気運を皆で高めていくことが、日本の企業が強くなる要因になりうる 等々
動画視聴後の参加者の反応は、「共感できた」というものと「抽象的すぎて『自分事化』できない」というものに二分しましたが、ファシリテータからの職場のコミュニケーション活性化や人間関係の改善、売上という数値目標を目的化させない(本来の目的は「お客様に何を提供するか」)ためのアドバイスなども加えられ、
- 一度、売上目標から離れ、お客様の満足度を上げる努力をしてみても良いのではないか
- 部下や後輩に自分事化を求めるのではなく、自分たちが、ここでの学びを持ち帰り、視野を広げる手助けをすれば良いのではないか
- 部署や役職が違う人もお互いをよく知ることで助け合えるのではないか
- チームリーダーに求められるのは、目標による管理ではなく、助け合いを助長することなのではないか 等々
という前向きな意見が出されました。
そして、ファシリテータから「これからの『理想の組織』の在り方」(図1)と「メンバーの動機づけのための3要素」(所属する組織や自分に可能性を感じる/自分の仕事がお客様や社会に役立っていることの実感がある/信頼に基づく質の高い人間関係がある)、「職場における『リーダー』としての機能」(図2)について説明がなされました。
図1「理想の組織」
図2リーダーとしての機能
最後に、参加者の「自分事化」の一助とすべく、いわゆる「100年企業」の取り組みが紹介されました。
次回はいよいよ最終回
2023年2月7日(火)~8日(水)に「『仕事を楽しむ』工夫と業績を結び付ける」をテーマとして、静岡県にある2つの企業を訪問して施設見学や経営者・実務担当者からの講演を交えながら開催します。日頃は見ることが出来ない他社の施設を訪れ、そこで組織づくりに取り組む方々の生の声を聞くことで、参加者の中で「幸福度の高い組織づくり」がより自分事化されることが期待されます。
◆開催概要◆
- テーマ
- 「幸福度の高い組織づくり ~仕事を楽しむ~」(全3回開催)
- 開催日時
- 2022年12月20日(火)13:30~17:00[第2回]
- 開催場所
- 日本能率協会 研修室(東京都港区)
- ファシリテータ
- 春野 真徳氏
(株)スプリングフィールド 代表取締役
全能連認定エキスパート·マネジメント·インストラクター