IoTフィットネスが社会の未来をつくる!
~医療介護の現場から、様々な空間での活用まで〜
「コンパクトな健康空間をたくさんつくって、身も心も健康な社会を」
と楽しそうに話す荒川さん。
IoTフィットネス機器を社会のあちこちに置いたらどんなことができるのか。
そもそも、心身はどう整えることができるのか。
合理的かつわくわくする話を、たくさん伺いました!
株式会社アライアンス
代表取締役 荒川 毅 氏
身も心も健康な人が増える社会を目指して、「健康」を事業テーマに

心と体すべての健康支援がテーマです。健康のためには「医者」という役割もありますが、病気になる前に、健康領域でできることがたくさんある。
そこが重要だと思って、事業を始めました。


「病は気から」とも言いますが、体の病気だけじゃなくて、心の病気の予防もありますからね。
今は「社会福祉」「ソーシャルウェルフェア」なんて言葉が確立されていますが、私が大学を選んだ頃は、そんな学科すらなかったんです。だからアメリカに行って勉強しました。
そんなに体系立った学びでもなかったんですけどね(笑)。


そうそう。で、私自身は、日本に戻ってきたときに、たまたまフィットネス業界に関わることになったんです。
その時に、心身の健康はここからスタートできると思って、「フィットネスを通して健康を伝えよう」ということで、今に至っています。


どうなんですかねぇ……。昔から「おせっかい」気質ではありましたね。
人が困っているとちょっかい出して、おせっかいをしたがる。相手が嫌がっても(笑)。


心の健康ということでは、「不安」もケアすべきなんです。
コロナが不安でしょうがないとしたら、その不安をできるだけ取り除いてあげようとはしていますね。消毒やマスク、物資が不足しているとなったら、物資を潤沢に供給する。保菌者かどうかが不安だというなら、抗体検査をきちんとした形で受けられるような体制をつくる。
必要な近隣施設にお渡ししたこともあります。


そうした不安を取り除くのが第一で、次に必要となるのが免疫効力。
ここで、体を強くしていくトレーニングがつながってくるんです。

「健康ステーション」をつくり、全国に広げていく

まず「SONIX」ですが、これは音波を使って全身をトレーニングできるものです。
音波は水中でよく伝わるのですが、体も細胞という水分でできていますからね。
音波が身体の中で揺れて、全身の運動になるんです。


五感の中でも、体の中まで刺激を与えられるのは音だけです。
ライブハウスにいったり、太鼓の音を聞いたりすると体がスカッとするんじゃないかと思いますが、骨まで響く音の効果ですね。
この効果を応用しています。


まさにそうです。一方で、身体の筋肉をつけていくのが「milon」です。
体の内面を整え、正しい形になったところで必要な筋肉を補強していく。
50年以上の実績があるドイツメーカーのフィットネスマシンなのですが、データをもとに、運動プログラムが簡単に組めます。


圧倒的に品質がいいですよ。機器のつくりも、データ取得のレベルも高いです。
また、運動でとれるデータだけじゃなく、他の関連データをコネクトできるのも特徴です。近年は分析能力も上がってきましたからね。
たとえば食事のデータ。移動した時の緯度経度・気圧・湿度。あるいはアレルギー情報まで入れられますので、健康的な日常生活全体をサポートしていくこともできます。


そうなんです。最近導入が増えているのは、病院とか介護施設です。
健康寿命を伸ばす必要性はみんなわかっているのですが、どうやったらいいのか、手段をあまりもっていない。
健康診断だけではなくて、定期的な体の運動機能チェックまで、本当は必要なはずなんです。


今は、この機器を使った「健康ステーション」を全国に増やしていきたいと思って動いています。
各自治体に何カ所か機器を置けたら、いろんな人が使えますからね。
取ったデータのフィードバックで予防対策ができたら、医療費削減にもつながるはずです。


そうでしょ! 今からですけれど、がんばって広げますよ。
データをきちんと集めて分析して、結果を2025の大阪万博くらいにお披露目できたらと計画しています。
そこまで仕上がったら、私は引退させてもらって(笑)。


市単位で情報がつながって、都道府県レベルになって、国が最終的に管理できるようになれば、健康の見える化が実現できますからね。
マイナンバーだって、健康データとつなげた方が、今より有効に使われるんじゃないですかね(笑)。

働く空間にも、他の産業にも、「健康」は必ず関わる

そう。その場所にいろんな人が集まってくるので、困ったことを助け合えるようになります。
コミュニティの中だったら、対価じゃなくてポイントみたいな形で「お互い様」ができるといいのかもしれないし。
これがヘルプラインとしてつながっていくといいですよね。そんな仕組みづくりも、今後考えています。


そうなんですよ。困ってる人いるでしょ。そこに行きたくなるという(笑)。
「大きなおせっかいだよ」と言われつつも、ちょっかいを出す。そういうのを仕事にしたいんですよね!


オフィスフロアとか異業種とのコラボレーションとか、いろいろと考えられますね。
空間づくりにも使える。おしゃれですし、音もしないですからね。
打合せしている横でマシンを使っていても、“がしゃんがしゃん”という音はしないんです!


その期待は大きいです。何をやるにしても「健康」は必ず条件になりますからね。
いろいろな事業、あるいは空間設計のときに、「健康」のスパイスをちょっと入れてもらいたいと常々思っています。
私が接点のない業界や、気づかないところで、もっともっと広がるきっかけがあればうれしいですね。


これからの時代、もっと大きな災害も起こるでしょう。いろんな準備をしておかないといけません。
その時に、コンパクトに健康の仕組みづくりができるというのは、社会にとって必要なインフラになってくるんじゃないかと思っています。

