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メインマーク株式会社

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建築物の「総合病院」としてお困りごとに貢献したい
~地震大国でも安全な建物であり続けるために~

「床や建物が傾いてしまった!」「液状化現象が……」という事態は本当におおごと。
事業が止まり、時には移転判断まで迫られかねません。
メインマークは、そんな事態でも床を壊さずに直せる工法によって、様々な困りごとを解決してきました。
約20年前にオーストラリアではじめてこの工法を見たときに、衝撃を受けたというのが代表の川口さん。
そこから日本で事業を展開し、地盤強化、振動解析などへと展開してきた経緯を伺いました。

メインマーク株式会社
代表取締役 川口 太 氏
販売促進部 販売促進課 矢吹 淳子 氏

川口氏、矢吹氏へのインタビュー

床や建物の傾きをあっという間に直す工法に出会う

何がこの仕事をはじめたきっかけなんでしょうか。

会社を立ち上げたのが約20年前なんですけれど、その前に僕、オーストラリアにいたんですよ。
そこでとある方を介して、今も主力商材である工法に出会いまして。
それを日本に持ち込んで事業展開をしたいという話が入ってきて、関わることになりました。

「これは日本で広めたい!」と当時思われたということですよね

最初に見たのは、高速道路のへこんでいるところを、壊さずに直しているシーンだったんです。
「これ、すごいな」と驚きましたね。

使える場所がたくさんあるだろうと

と言いつつも、私自身はまったく建設の専門ではないので、日本でどんな風に受け入れられるかはわからず。
ただ、いいものだからと思って、のめり込んでいったんです。

ちなみに同席頂いた矢吹さんは転職でということですね?

はい。
2018年ごろにスポーツ系の建築業界から転職したのですが、最初はこの会社がやっていることを聞いても、想像がつかなかったというのが正直なところです。

それほど画期的であると

まず、床や建物が傾くということがぴんとこなかったんですね。
でも実際、いろいろな理由で傾くことはあるんです。
それを元に戻せるというのが当社の技術なのですが、簡単に直せてしまうことに驚きました。

もう少し具体的に特徴を伺いたいのですが、傾いた床に注入する「テラテック」素材は、元々使われていたウレタンからさらに進化した樹脂素材ということですね

ラテックス

そうですね。
もともとフィンランドのある博士が、「ウレテック」というウレタン素材の工法を開発したんです。
断熱材に使われていた素材なのですが、膨張する特性を生かせないかという発想から、コンクリート土間床下に注入する工法が編み出されました。

なるほど

そこからヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアへと広まり、日本に持ち込んだわけです。
今は「テラテック」という樹脂素材を使っていますが、工法は同じ。
傾いてしまった床の下に素材を注入して、膨張する力で上にぐっと持ち上げる、そして水平に直す、という具合です。

ラテックス工法の図

床や建物をそのままで……

最大のポイントは、今ある床を壊さずに済むことなんです。
もしも修理をするために一回床を解体するとなると、営業を止めなきゃいけません。
それはお客様の収入を止めることにもなりますからね。
営業を継続しながら工事ができるので、お客様の負担はすごく少ないですし、壊して捨てるものもないので、環境にも優しいんです。

困っている時には最大の味方だと思います

道路などを作る土木の仕事ってなかなかお礼を言われることが少ないのですが、こういう工事をやると、成果物がすぐ見えますからね。
感謝されるところにやりがいを感じてくれている社員も多くいます。

お客さん側も直さないと困り続けるわけですので……

そうなんです。とある配送センターなんて、列を決めて配送物を並べていたのですが、床が傾いていて、荷物がそのまま隣のラインにずれちゃって。
間違ってそのまま積んでしまう事態にまでなって、ご相談いただいたこともあります。

液状化の場面でも、床や建物を壊さずに水平に戻す

そもそも傾いてしまうようなことって、結構起こっているんでしょうか。

実は結構起こっています。
住宅でも築年数がたって、斜めになってしまうことはあるんですよね。

よくあるのが、ドアや窓が閉まりづらくなったという話です。
傾いたからこそなのですが、不便に慣れてそのままやり過ごしてしまっていることもあります。
でもそれは業務効率を下げることにもなってしまいますからね。

そうやって傾いてきてしまったときに、直せる方法があると知っているかどうかは大きな違いですが、これまでどうやって認知を広めてこられたのでしょう?

なかなか難しい話で、まだ徐々に知っていただいているところです。
やはり、床や建物が傾くというのは責任問題にもなりかねないので、宣伝活動が難しい領域なんですよ。

以前は口コミがほとんどで、あとは飛び込み営業のようなこともやっていたんです。
インターネット社会になって、検索してご相談いただくパターンも増えました。

1つ、取り巻く環境が大きく変わったのは、やはり地震ですね。
よく「工場が止まりました」というようなニュースが流れますが、それって天井が落ちるといっただけでなく、床が液状化でうねってしまうこともあります。
すると、機械を移動して床をつくり直して……なんてとても大変で、すぐにはできないんです。

そうですね

そこに僕らが工事に入ると、一晩で直せたりするんですよ。
すると「あれ、これ使えるね」となる。
災害時に本当に使える技術として、メディアの特集に載せていただいたこともあります。
災害が1つのきっかけとなり、以前より、床や建物が傾いたという悩みを言える風潮も出てきました。

事業としては、傾きを直すだけではなく、地盤改良や性能向上という点もされているそうですが

はい。床の傾きを直しているなかで、そもそも建物の地盤自体が弱いところも結構あることに気づいたんです。
もちろん、建築前にも対策するわけですが、建物が建ってしまったあとで何とかしたい場合は難しいんですよね。

もうさわれない感じですね

それで、独自に機器を考案して、建物の下の地盤を強化する手法をつくりました。
半永久的に建物が真っすぐになるようにしていく。
これを2つめの事業の軸としてやっています。

ラテックス工法の図

地盤自体へ手を入れるんですか!

さらに次に出てくるのは「振動」というキーワードなんです。
たとえば工場の床の下に空洞があると、置いた機械をいくら調節しても振動が止まらないということが起こる。
もはや、修理するのは機械屋さんの仕事ではないんです。
そんな時に、僕らは床の下を補修して、振動の低減をはかっていきます。

機械の問題ではないこともあるんですね

実は建物はかすかに振動しているんです。
そこに亀裂があるとトリガーポイントになって、地震の時には建物が崩れる原因になったりします。
振動を見える化できればそこが予兆としても捉えられますので、被害予防や低減にもつながります。

振動の見える化……

昔から研究されてきた領域なのですが、従来はセンサーが高額だったり、コンピュータの処理能力が遅かったりして、一般では使えなかったんです。
それが今、安価で高性能の機器が使え、クラウドも活用でき、広く使える土壌ができてきました。

技術的な進化が後押ししていると

建物の状況が集中管理室のようなところで確認できれば、地震があったときでも安全かどうかがすぐ判断できるんですね。
津波が来ているのに建物を見に行ってしまうことなんかしなくて済みますし、安全な建物への避難誘導にも使えます。

困っていた方から「ありがとう」と言ってもらえる仕事の魅力

損害保険会社との提携も始めたという記事を拝見しました

損保ジャパン様との件ですね。やはり予兆段階が大事だと考えられていたので、インフラや建物の予防というところで提携させていただきました。
実際、倒壊してしまうとものすごく大変ですが、最近ようやく予防の重要性認識が高まってきたと感じています。

医療での早期発見・予防のようなものですね

そうなんです。
壁の中に亀裂が入っていても目に見えないですからね。
そういうのを早期発見するのは重要です。あと、北海道胆振東部地震のときに、地震前に状態を測っていた建物がありまして。
地震後にも測ったらデータにずれがなかったので、建物に危険がないというのが証明できたというケースもありましたね。

独自の事業領域を広げられているように思いますが、特徴を一言でいうとしたら何でしょう?

建物の「総合病院」のような役割ですね。
建物が傾いたら直しますし、傾く前の予兆も見出しますし、傾く理由の根本治療まで行いますからね。
今の建物をできるだけ長く使っていただくために、住んでいる方々の不便をなくしていく事業です。

わかりやすいです! ちなみに、社員の皆さんはどんな関心をもって入社してこられているんですか?

僕らはやっていることすべてがニッチなんですよ。
そのニッチさに魅力を感じてくれているのかなと思います。
あとはやはり、「ありがとう」と言ってもらえる仕事というのも大きいでしょうね。

全国をカバーされていと思いますが、お互い情報共有する場もあるのでしょうか

顧客管理システムを10年以上前から導入していて、情報共有は日常的に行っています。
あと、案件情報、技術情報も社内のプラットフォームで共有していて、過去の類似案件を参考にしたり、情報を確認したうえで担当者に電話したり、お互い積極的に使っていると思います。

海外ネットワークでの活動もおありなのですか?

そうですね。
海外へ技術輸出することもあって、たとえばニュージーランドで地震対策工事もやっています。
その時に、日本から一緒に行ってくださった会社もあって、そういう協力関係はうれしいですよね。

そうした他社との連携等で、今後期待されていることはありますか?

手掛けている領域がニッチな分、まだまだ知られていないかもしれませんが、こういう事業があることも知っていただき、何かあったときのBCPをご一緒に整備していくようなかかわりもできたらと思っています。

ありがとうございました

今回インタビューにお答えいただいたお二人は非常にエネルギッシュな方々で、事業に対する熱い思いをひしひしと感じました。ニッチな技術を活用し、建物の総合病院を目指す同社。床面沈下、地盤沈下など困りごとをお持ちの方は、ぜひ一度メインマーク様ご相談してみてください。