予防医療 新規事業

株式会社YAMADA

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一見簡単に見えますがとんでもないすぐれモノです!
~歩けなかった人が歩けるようになる歩行支援具「e-foot」〜

モーターも電源も必要としない歩行支援具である「e-foot」。

骨格筋をわずかなゴムの力でサポートするだけで、長年歩けなかった人が歩けるようになるほどの効果をもたらします。

日本中、世界中に広めたいと製品化を進め、国際特許も出願中という現在。

発明者の山田先生と、製品化を共に進める但野さん、西山さんにお話を伺いました!

株式会社YAMADA 山田 好洋 氏
但野 氏 / 西山 氏

リハビリ現場で生まれた歩行支援具を商品化

コレがe-footですか

とりあえずつけてみましょう……

どう? 歩きやすいでしょ?

ほんとですね。自然と次の足が出ますね

足の麻痺によって30年間歩けなかった方が、これをつけた瞬間に歩けたんです。泣いて喜ぶ方なんかもいて。

そう思ってもらえるのが一番うれしいんですよね。

30年間歩けなかった方が……!

これを装着すると、爪先があがるんですよ。骨盤を安定させて、歩ける姿勢に戻す。それで転びづらくもなる。

高齢者だけじゃなくて、ケガからのリハビリ、ウォーキング、からランニングに山登り、陸上のトレーニングなどにも使えます。

そもそもどういうきっかけで開発されたんですか?

デイサービスに来られていた歩行困難の患者さんが、ある時、意気消沈していたんです。
どうしても歩きたくて、とある歩行支援具を買ったけれども、結局歩けなかったと。

「じゃあ僕がつくってあげるよ。一週間待ってね」と言って、最初の試作品をつくったんです。

いきなりこの形になったんですか?

ゴムを使って筋肉を動かすという発想は最初からありました。ただ当初はもっと複雑なつくりだったんです。
そこをシンプルにして、自力装着できるような工夫もしました。

歩行器のアシスト機能と考えればいいんじゃないかなと思っています。
先生はこれで富士山にも登ったんですよね!?

そうそう。筋肉痛ゼロでした。

僕は去年骨折して、ここに通っていたんです。
そしたらある日、先生がe-footが紹介された地元新聞社の記事を見せてくれた。

直感的に「これはすごい」と思ったので、ぜひ量産化を手伝わせてほしいと言いまして。販路や製造先の検討を始めました。

私はe-footのゴム素材で使われているセラチューブを、本業では取り扱っているんです。

但野さんは今回の件で知り合ったのですが、意気投合しお手伝いをさせていただくことになりました。

ゴムの力で筋肉をアシストするという発想

装着型ロボットとかもありますが、発想が違いますよね?

ロボットを使うのは工学系の発想だと思いますが、僕たちは運動系、つまり筋肉の動きから発想してつくっています。
患部を治そう、補助しようと患部だけを考えるんじゃなく、両足で歩けるようになるにはどうするか、という考え方ですね。

なるほど

僕も最初、歩けない足を何とかしようと思っていたんです。
でもそれだけだとうまくいかないことが分かったので、健康な方の脚も補助することにしました。

ゴムの強度や長さを調整し、悪い側を補強してバランスを保ったりできるんです。

どうして発想の転換ができたんですか?

目の前の患者さんの状態を見ながら徐々に考えたんです。
片足だけだと変化がないので、両足でやってみよう。
悪い方の足がうまく前に向かなければ、ゴムの調整を変えよう。

そんな感じで今のカタチになっていきました。

患者さんと毎日コミュニケーションをとっているからこその発想ですね!

僕はデイサービスも運営していますが、高齢者の多くは、骨折して歩けなくなることで介護度があがることが多いんです。

一回歩けなくなると、外に出たがらなくなる。認知症も起こりやすい。
だからこそ「自分で歩ける」というのは本当に大事なんです。

歩けなかった方にとっては大きな喜びでしょうね

本当はもっと極めていきたいんですよ。

たとえば、人の足の裏ってセンサーが張りめぐらされているはずですが、そことどう関係するかとか。脳波にどう影響するかとか。

JMAさんとの縁が、何かそういった研究者の方への縁につながるのも期待しています。

何とか多くの人に喜んでほしいという想いですよね

まさにそうなんです。

やっぱり目の前で何十年かぶりに歩いた人を見ると、感動します!
先生は他にもいろんなアイデアをお持ちなので、今後はタイアップ型での開発もできたらと思っています。

他県からわざわざお越しになる方もいらっしゃるんですよね。何とか歩きたいと言って。
杖で歩いていた方なんかは、両手で物を持って歩けるってすごいことなんですよ!と言っていました。

そういう方が全国にたくさんいると思うんです。だから製品化を決めて。

今、メーカー様との量産打合せや販売先の検討を進めています。
値段が悩ましかったんですけれど、3万円(消費税別)ということにしました。
良いものを継続して提供し続けるために……と考えてですね。

ロボット装具利用と比較すると、格段に手軽な価格ですね! 耐久性なんかはいかがでしょうか

ゴムってどうなんだろうと思われるかもしれませんが、採用させていただくD&M様のセラチューブは、トレーニングチューブでは世界レベルで耐性が強いゴムですからね。さらに約25%しか負荷をかけないつくりなので、相当長持ちしますよ。

耐久強度テストもずっとやっているんですよ。
昨秋から屋外で伸ばしたまま放置。どれくらい持つだろうってはじめたら、半年経っても使用上問題ありませんでした。

一番楽なリハビリである「歩く」を実現

そもそも先生は、いつ頃からこういう取り組みをなされたんですか?

僕はもともと接骨院をやっていて、8年前には介護施設を開設しました。
そうしたら50代でも麻痺が起こってしまった方が何人か来られたんです。

脳梗塞で倒れてから手足が動かないとリハビリを嫌がっておられました。

50代ですか……

そう。そこで、ちょっとでも動かせないかと考え始めました。
実は、もともと僕は、装具療法の権威である荻島秀男先生のところで学んでいたんです。
骨折の装具とかですね。

あ、そうなんですか!

自分で接骨院を始めてからは遠ざかっていたんですが、元々勉強していたんでね。
スムーズに歩ける装具って? というのを自然と考え始めたんです。

装具の新しい形ですね

荻島先生が日本に装具を導入されたのですが、その後装具はあまり変わってこなかったとも言えるでしょうね。

e-footはもしかしたら、装具の新たな歴史に貢献できるんじゃないかと思っています。

協力いただいた病院で、患者さんにe-footをつけてもらったことがあるんです。
そしたら、今まで歩けなかった人が歩けて。理学療法士さんがびっくりしていました。

僕たちは毎日患者さんのリハビリの苦労の過程を見ています。
その中で一番大切なのは、歩くことだなと思いました。

歩けなかった人が5分歩けるというだけですごいんですよ!

歩幅を広くしてゆっくり歩けば、自分の体重が乗って、筋力強化が進むんです。
それが一番楽なリハビリ。まずは5分歩くだけでいいんです。

一人でも多くの歩行に悩む方に、「歩く幸せ」を感じてもらいたい、それを強く思っています。

外部とのコラボレーションも進めたい

自分の足で歩きたいと願う人は全国にいると思いますが、どう広めていこうとされていますか?

いろいろと使い方は広がりますが、まずは歩けない人、体が動かなくなった人たちにぜひ体感してほしいというのがe-footの想いです。
理学療法士さんなどリハビリに携わる方にも知ってもらいたいですね。

最近は、実例動画をHPでも見られるようにしました。

歩行研究所をつくって、実証研究を重ねてきています。

今後は研究機関の方にも知ってもらって、科学的に判断して認めていただく。
そういうことを機に、医療業界の方々にも知っていただく。
そんな広がりによって、信頼性も高めていきたいですね。

今回は、コネクトをご利用いただきありがとうございます。

こちらこそありがとうございます。
ちょうどe-footを広めていくフェーズに入ってきたので、リアルとオンラインの融合でネットワーキングしていければと考えていましたので。

今後は、展示会やCONNECT LABOなどのリアルイベントもどんどん活用したいですね。

我々もいろんなところとコラボするきっかけ作りを、お手伝いできればと考えています。
本日はどうもありがとうございました。

困っている方をなんとかしたいという一心で事業を立ち上げられたお三方。
お話を伺っていても先ずは、目の前の社会課題を解決したいという想いが伝わってきます。
コラボしたい、協業したいという企業様は是非株式会社YAMADA様にご連絡ください。